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実装工程について

更新日:2023年7月2日

 先般、久しぶりにインターネプコンの展示会に参加したこともあり、実装工程(Mounting process)についてコメントしたいと思います。


 実装工程とは、電子回路の基板に、集積回路(IC、半導体)やコンデンサーなどの電子部品を配置する工程です。 スマートフォンやパソコンなどの電子機器には、電子部品が正確に配置された基板を搭載する必要があり、実装工程はこれらの製造に必須の工程となります。


 ディスクリート部品(足つきの部品)の実装工程もありますが、何といってもチップマウンターが主流になっているので、そちらについての状況がコメントの主体になります。

(ディスクリート部品の実装工程については別途コメントします。)


 チップ部品実装の基本的な工程としては①クリームはんだ印刷→②チップマウント→③リフロー半田の順が一連の流れとなります。以下順に述べると・・(ネット検索結果等を整理)


①クリームはんだ印刷

 クリームはんだ印刷機は、プリント基板のパッド上にクリームはんだ(ソルダーペースト)を塗布するための装置です。世界的にはソルダーペースト・プリンター(英: solder paste printer)と呼ばれます。

表面実装工程ではチップマウンターでプリント基板に電子部品を搭載しますが、その前に部品の搭載場所にペースト状のはんだ(はんだの粉末にフラックスを加えて、適当な粘度にしたもの)の塗布を行う装置がクリームはんだ印刷機(ソルダーペースト・プリンター)です。なお「クリームはんだ」と形容するのは日本国内でしか通用しない言い方(しかも古い言い方)で、世界的には一般に「ソルダーペースト」といいます。近年は日本でもソルダーペーストといっています。

通常はメタルマスクと呼ばれる、薄さが約100~300μm程度の金属板にプリント基板のパッドに合わせて穴を開けたマスクを用い、印刷機のスキージを使って印刷を行います。

 スキージの材質としては、ウレタンスキージ、メタルスキージ、プラスチックスキージがあります。

・ウレタンスキージ

 スキージの材料にウレタンゴムを使用したもので、メタルマスクの寿命を長くすることができますが、マスク大開口部でのはんだ転写量が低下してしまう欠点があります。

・メタルスキージ

 スキージの材料に金属を使用したもので、マスク大開口部でのはんだ転写量に優れていますが、メタルマスクの寿命を短くしてしまう欠点があります。

・プラスチックスキージ

 スキージの材料にプラスチックを使用したもので、メタルスキージと同等のはんだ転写量を確保し、かつメタルマスクの寿命を長くすることができます。


②チップマウント(写真はチップマウンターの一例)

 表面実装タイプの電子部品は、はんだ付けの前にプリント基板の表面に電子部品を配置する必要があります。この工程を担当する装置がチップマウンターです。


チップ型の電子部品はリール状にまとめたもので、テープフィーダーと呼ばれる専用の供給装置にセットして自動供給します。また、QFP等の大型部品は専用のトレイに入れられており、それをトレイ供給装置にセットして自動供給します。


 はんだ工程の種類により、実装前の処理が異なります。通常はクリームはんだ印刷機と「メタルマスク」と呼ばれるマスクを用いて、プリント基板のランドにクリームはんだを塗った状態で電子部品を配置します。場合によっては、電子部品を接着剤で固定するためにディスペンサと呼ばれる装置での前処理が必要となります。


③リフロー半田

 リフローはんだ付けは、はんだペーストを溶融し、はんだ付けするプロセスです。 チップマウンターで取り付けられたプリント基板全体が制御された熱にさらされます。 はんだペーストは溶融状態でリフローし、恒久的なはんだ接合をおこないます。

 比較的長い工業用対流式オーブンを使用したリフローはんだ付けは、はんだ付けとして良好な方法となります。


リフロープロセスの目標は、はんだペーストが、特定のはんだ合金が液体または溶融状態に相変化する共晶温度に到達することです。この特定の温度範囲で、溶融合金は接着特性を示します。溶融はんだ合金は、水と同じように振る舞い、凝集性と接着性を備えています。十分なフラックスがあれば、液相線の状態で、溶融はんだ合金は「濡れ」と呼ばれる特性を示します。


リフローオーブンの温度プロファイルにより、温度許容範囲を超えて電気部品を過熱したり損傷したりすることなく、隣接する表面へのはんだのリフローが可能になります。リフローはんだ付けプロセスでは、通常、「ゾーン」と呼ばれる4つの段階があり、それぞれが異なる熱プロファイルを持っています。 予熱、サーマルソーク(熱浸漬) 、 リフロー、および 冷却に分けられます。




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