ゴム製品の加工(rubber products processing)には大きく分けて2種類あり、金型を製作して成形する「金型成形」と、ゴムから余計な部分を削っていくことで製作する金型不要な「切削加工」があります。
ゴムの混練り工程で述べたゴム材料をそのままを素材として、あるいは適当な大きさに成形したものを、次の工程にそれぞれ供給することを前提に、金型成形加工 及び 切削加工について以下に説明します。
①ゴムの金型成形加工について
ゴムの金型成形加工は、圧縮成形、押出成形、射出成形 の3つが一般的です。
●圧縮成形
圧縮(コンプレッション)成形とは、あらかじめ目的の形状に作成した金型にゴム素材を入れ、そのゴム素材を上下から金型でプレスして一定時間加熱・加圧することで、成形を行う加工方法です。ゴムの成形加工方法としては、もっとも一般的な方法になります。他の成形加工と比べて非常にシンプルな方法といえます。
●押出成形
ゴムの押出し成形とは、スクリューやプランジャーなどを用いてゴムを押し出し、押し出したゴムを加硫路で加硫した後、一定の断面形状を連続して成形を完成させる加工方法のことです。
一般的な工程の流れとしては、まず「押出機」と呼ばれる機械にゴム素材を投入し、押出機の過熱シリンダにて加熱・溶解を行います。次に溶解して流体となったゴムをシリンダからダイ(口金)に押し出すことで、ダイ(口金)の穴に合わせた形でゴムがところてんやインスタント麺の製造のようにダイ出口から出てきます。例えばダイの口径が丸であれば丸棒状、四角であれば細長いブロックのような形、薄い長方形であればシート状に成形が可能です。
●射出成形
射出(インジェクション)成形とは、「シリンダー内で加熱・溶融させたゴム素材を金型に流し込み、形成する」加工方法です。
注射器を意味する英単語であるInjection(インジェクション)の名前のとおり、注射器のイメージで金型にゴム素材を射出して固めていきます。
②ゴムの切削加工について
切削加工はゴム素材を刃物で削っていき、形を整えていく加工法です。金型成形加工と比べ、金型が不要となるのでイニシャルコストが抑えられ、小ロットでも低コストで製作することが可能です。
たとえば、規格の変更が多い場合やサンプルの作成だけの場合は、切削加工で生産することが多いようです。逆に、ゴム製品を大量に生産したい場合は金型成形加工が主流で、切削加工と比べ大きな違いがあり、複雑な形状でもスピーディな製作が可能となります。まだ試作段階といった場合は切削加工、試作後に大量生産してもらいたい場合は金型成形加工など、その用途に応じた対応が必要になります。
(参考ブログ)
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