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電解研磨の特徴

更新日:2023年9月30日

 主にネジなどの工業製品を鏡面にし、バリを取ったり光沢を出すなど、光沢化・平滑化する際に電解研磨がよく使用されます。


 電解研磨(EP: Electro Polishing, electrolytic polishing, electropolishing)は、ステンレス、チタン、アルミなどの金属表面を電解反応を利用し、極微細な凹凸を溶解し、平滑化・鏡面化された金属面に仕上げる処理です。電解研磨された金属表面には耐腐食性に優れた均質な不動態被膜を生成します。不動態被膜とは、電解研磨によって発生した被膜で、金属を腐食から守るものです。不動態被膜は、溶液や酸・水やホコリなどの影響で金属が錆びることを防ぎ、耐食性を大きく向上させます。


 電解研磨とは、製品をプラス側にして電解液を介して直流電流を流し、金属表面を溶解させることで研磨効果を得る方法であり、 物理的研磨とは異なるいろいろな特徴があります。 実際の電解研磨の方法については製品の特徴や、目的などによりいろいろな方法がありますが、浸漬による方法が一般的です。


 電解研磨の効果としては・・・


①汚れを除去する  加工変質層が除去され耐食性などへの影響が減少する。


②汚れを付きにくくする  微粉末や汚れが付着・滞留しにくくなり、それらによる生成製品への影響が現れにくくなる。また、洗浄が容易になり、クリーンメンテナンスの負荷が軽減される。


③錆びにくくする  防錆効果が向上し、腐食による製品への影響や漏出事故が起きにくい。また、薬品や食品材料への耐性が向上し、品質を維持しやすい。


 電解研磨には上記のような研磨処理による「平滑化や光沢化」「耐食性の向上」のメリットがあり、これに加え、「部分的に研磨できる」といった独自のメリットもあります。電解研磨は、電極を金属に当てて研磨するため、研磨したい部分を狙って研磨でき、一部のみ研磨することも可能です。また、少ない研磨量で、非常に細かい「表面粗さ」に研磨できます。




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