現在、当生産技術コンサルティング事業において、切削油を扱う企業様が存在したため、切削油について、若干ご紹介することにしました。
切削油(Cutting fluid)とは、フライス盤や旋盤など、金属にさまざまな加工を施したい時、刃具に対して放出される液体のことです。主に、切削時の摩擦を抑えたり、工作物の熱を奪い、熱を冷ましたりする効果を持っています。切削時に発生する切り屑を洗い流す効果もあり、加工時に起きる不具合や不良品の発生を軽減させる効果を担っています。
切削時に水ではなく油を利用するのは、より精度の高い製品を加工するため。一般的には「水溶性」と「不水溶性」の2種類に大別され、それぞれに異なる性質があり、目的・用途に合わせて使用されています。
水溶性切削油は一般的に水道水を使って10倍~80倍に希釈して使用します。濃すぎると金属に付着した油による影響が懸念され、逆に薄すぎると水による錆などの原因となるため、適量に薄めて使用する必要があります。
水溶性切削油は冷却性に優れている他、切削時の熱や火花から引火する危険性がなく、無人による作業の自動化が期待できます。
不水溶性切削油は鉱油や脂肪油を主成分としています。水溶性に比べて冷却性は劣りますが、潤滑性や防錆性に優れており、切れ味の良さや、工具の寿命、加工面の品質向上が期待できます。また、使用する油によって粘度が異なりますが、一般的に低粘度のものほど浸透性に優れており、隙間に浸透し、潤滑や冷却に高い効果を発揮します。
油種は大きく分けて4種類(※)に大別されますが、すべてに引火の危険性があり、消防法によるところの「危険物」に該当します。そのため管理・使用には法律に基づいた予防措置が必要になります。(※:JIS規格でN1種~N4種に分類)
Comments