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無線給電の活用

 最近、行われた展示会でも確認しましたが、無線給電によるパレット搬送装置が目を引いていました。いろいろな課題はあると思いますが、無線給電技術の進展により、工場内の設備や搬送装置等に変革をもたらす要素となる可能性もあるため、今回、取り上げることにしました。


 無線給電(Wireless Power Supply)つまり、電線を使わず電力を送るワイヤレス給電技術は、電力を必要とする機器と人との関係を変える可能性を秘めています。

大きく5種類あるワイヤレス給電方式は、それぞれで原理や効率、活用メリットが異なります。ワイヤレス給電の原理と種類、近未来の応用例である宇宙太陽光発電についても参考に記載します。     (以下の記事の大半はネット検索によるものです。)


①電磁誘導方式(従来型)

 電磁誘導方式のワイヤレス給電は、19世紀に活躍したイギリスの化学者・物理学者マイケル・ファラデーによって発見された、「電磁誘導の法則」を利用したものです。

電磁誘導の法則とは、コイルなどのループ状の導線に磁束(磁界の強さと方向を示す線の束)を通すと、磁束の変化の度合いに応じた電流(誘導電流)がコイルに流れるというものです。磁束は、コイルに電流を流すことにより発生させられる(右ねじの法則)ため、2つのコイルを利用して電力を伝えられることになります。ただし、この電磁誘導方式(従来型)のワイヤレス給電システムには、2つのコイルの距離が離れると、効率が大幅に低下してしまうという欠点があります。1次コイルから出た磁束は、コイルからの距離が離れるにつれて広がるため、2次コイルのなかに入らない「漏れ磁束」が多くなってしまうからです。


②電磁誘導方式(磁界共鳴型)

 磁界共鳴型のワイヤレス給電方式は、上述した従来型の効率に関する欠点を大幅に改善したものです。このシステムでは、同じ共振周波数をもつ2つのコイル、すなわち送電コイルと受電コイルのあいだで起こる磁界の共鳴を利用しています。送電コイルが発生させる磁界のなかに受電コイルが置かれると、受電コイルが共振して新たな磁界を発生させ、その磁界が今度は送電コイルの共振を励起して...、というように、送電・受電コイルが互いに磁界をキャッチボールしながら共振を強め合い、強い結合状態(共鳴)が生み出されるのです。


③電界結合方式

 電界結合方式のワイヤレス給電は、静電容量結合を利用したものです。電界と磁界は性質がよく似たところがあります。上でみた電磁誘導現象が磁界によって電流が誘導されるのに対応し、電界によって電圧が励起される現象が静電容量結合です。静電容量結合とは、2枚の相対した電極の片方に電流を流しこんで正電荷を注入すると、その正電荷に引き寄せられて、もう一方の電極に負電荷が集まるというものです。そのため見かけ上、負電荷の動きと逆の方向に電流が流れることになります。この静電容量結合の利用により、2枚の距離の離れた電極間で電力を送ることが可能となります。一定の距離を離して置いた2枚の電極の対を2組用意します。2組の電極対それぞれの片側の電極に交流電源、もう片側に負荷である白熱電球を接続すれば、電極間の静電容量結合により電力が伝えられ、白熱電球が点灯します。電界結合方式は電磁誘導方式と比較して、比較的安価で軽量なワイヤレス給電システムが実現できると期待されています。電磁誘導方式で必要となる大電流を低損失で流すための高価な導線や、強い磁束を作るための高価で重い磁性体などが必要とされないからです。

ただし、磁界の伝わり方を決める透磁率に比べて、電界の伝わり方を決める誘電率が5桁も小さい値であるため、電界結合方式は比較的長距離のワイヤレス給電には向かず、送電パット上に受電機器を置くなどの、ごく近距離で使うケースに向いていると見られています。


④⑤電磁波方式(マイクロ波、レーザー);以下は参考

 電磁波方式は、ワイヤレス給電を遠距離間で行うための技術です。使用される電磁波は、マイクロ波(=電波)とレーザー光の2種類があります。上で見てきた電磁誘導方式と電界結合方式は、比較的近距離でないと給電できません。電磁誘導方式の改良版である磁気共鳴型でも、コイルの直径程度より遠い場所では伝送効率が低下します。従って、たとえば部屋のなかの数メートルという範囲内であっても、電力を送るためには直径1m~2mなどの大きなアンテナが必要です。実際に、そのようなアンテナを壁や床に埋めこんだり、貼りつけたりするというアイディアも提案されています。しかし、数メートルよりもっと遠方に電力を伝送したいというニーズも存在します。たとえば、静止衛星に搭載した太陽光発電装置で、24時間365日、地球の昼夜に左右されず高効率で発電した電力を地球に伝送する宇宙太陽光発電では、数万kmの距離でのワイヤレス給電が必要です。この例において電磁波方式ワイヤレス給電システムでは、まず衛星に搭載された太陽電池によって発電された電力を使い、発振器によって高周波電流を作り、それをアンテナから電磁波として放出します。次に、地上の受信アンテナ(レクテナ)でその電磁波を受け取り、バッテリーへの蓄電などを行います。電磁波方式による長距離ワイヤレス給電は、宇宙太陽光発電のほかにも被災地や離島、山岳地、海底など、ケーブルを敷設できないところへの給電を実現するものとして、技術開発が期待されています。





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