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ポリイミド銅線

 既にマグネットワイヤで紹介しましたが、近年、EV用のモータ等で、耐熱温度が必要となる巻線(マグネットワイヤ)が要求されており、そこで使用される線種として、ポリエステルイミド銅線(EIW;耐熱温度180℃)、ポリアミドイミド銅線(AIW)、ポリイミド銅線(PIW;耐熱温度240℃)等がクローズアップされてきています。今回はその中で最も耐熱温度の高いポリイミド銅線(Polyimide Copper Wire)について簡単にコメントします。


 高電圧で駆動するEV用主機モータで使用される巻線には高耐熱性、耐加工劣化性に加えて、部分放電を抑制できる絶縁性(高PDIV化)が要求されます。初期の主機モータには高PDIV化を実現できる低誘電率のエステルイミドや誘電率はやや劣るが耐熱性に勝るアミドイミドが皮膜材料として採用されてきました。


 現在は、さらなるモータ性能改善に向け、上記の皮膜材料に比べて低誘電率化と高耐熱性を含め、耐加工劣化性にも優れるポリイミドを皮膜として巻線を開発しており、すでに上市されているようです。

(他の皮膜材料物性との比較)

・ポリエステルイミド銅線(誘電率ε;3.3、耐熱温度;180℃、Tg;205℃)、

・ポリアミドイミド銅線(誘電率ε;4.3、耐熱温度;220℃、Tg;280℃)、

・ポリイミド銅線(誘電率ε;3.0、耐熱温度;240℃、Tg;390℃)


(参考)

●PDIV ;Partial Discharge Inception Voltage(部分放電開始電圧)の略、コロナ開始電圧ともいいます。

●低誘電率;誘電率とは絶縁体に電界をかけた時に分極する強弱を示す値であり、誘電率が小さいと放電が起こり難くPDIVが高くなります。

●Tg;ガラス転移温度のこと。熱可塑性樹脂は、温度が融点以上になると溶融し、液状になりますが、冷却していくとだんだん粘度が高くなりゴム状態になり、最終的には固化していきます。ゴム状態から固化状態(ガラス状態と呼んでいます)になる境界の温度を「ガラス転移温度」と呼んでいます。


(参考ブログ)



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