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CVD法について

 半導体製造などで使われる薄膜形成法の一つとして、CVD法(化学気相成長:Chemical Vapor Deposition)があります。


 CVD法は、供給される原料ガスの蒸気圧と原料ガスの分解により生成された物質の蒸気圧との違いを利用した薄膜形成法です。


 原料として供給されるガスは高い蒸気圧を持っており、基板上に到達しても原料ガスのまま薄膜として堆積することはありません。原料ガスが分解され、蒸気圧の低い金属となると基板上から再蒸発しにくくなり、薄膜として堆積していくことになります。


 CVD法には、熱CVD法、プラズマCVD法、MOCVD法などがあります。それらについて以下に列記します。


①熱CVD法

 熱CVD法は、原料ガスの分解を熱により行う方法です。基板の温度が原料ガスの解離を行うために必要とされる温度は、金属薄膜を堆積する場合は、500-700℃、金属窒化物薄膜や炭化物薄膜を堆積する場合には、700-1000℃であり、かなり高温となります。

したがって、基板に耐熱性がない場合は熱CVD法は使えません。


②プラズマCVD法

 プラズマCVD法とは、原料ガスの分解にプラズマを用いる方法です。熱CVD法に比べ基板温度を低く設定できます。

 プラズマCVD法は、膜圧や膜質の均一性が得にくいため、大面積を持つ基板に対してはあまり実用的ではありません。


③MOCVD法

 MOCVD法は、原料ガスに有機金属化合物を用いるCVD法です。有機金属化合物とは、金属が炭化水素基と結びついて形成された化合物のことです。

 MOCVD法により作製されたデバイスは比較的多く使われており、家電製品リモコン用の光源の赤外発光ダイオード、青色をだす発光ダイオートは交通信号にも使用されています。






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