生産技術分野でペルチェ効果(Pel Che Effect)を活用した改善を実施することがまれに存在します。特に溶接工程などで、その発熱・吸熱効果を利用した素材の組み合わせの選定や、(直流溶接の場合の)電流方向の選択などがそれに当たります。
ペルチェ効果(Pel Che Effect)とは、異なる金属を接合し電圧をかけ電流を流すと、接合点で熱の吸収・放出が起こる効果のことです。この現象はゼーベック効果の逆であり、電圧から温度差を作り出す現象です。ペルチエ効果は、1834年にジャン=シャルル・ペルティエによってはじめて観察されました。
以前は、スパッターなどが発生しやすい(コンデンサー式などの)直流電流での溶接において、ペルチェ効果を利用した溶接品質の改善を検討したものでしたが、今日では、交流波形制御がかなり発達しているため、あまりその効果を利用する意味がなくなってきているようです。
しかし、近年、注目を浴びている固相抵抗スポット溶接(Cold Spot Joining)等に対しては、この「Cold Spot」というキーワードから、ペルチェ効果の吸熱反応を利用した溶接という選択肢も一つの方向性となる可能性を秘めているのではないかと考えます。
(ワーク・ワーク間の吸熱反応利用;低温溶接、電極・ワーク間の吸熱反応利用;電極の長寿命化 等)
(参考ブログ)
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