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マグネシウムの加工性

shigeokumata

 生産技術業務の中で取り扱う金属について、その加工性に関わる知識が必要となる場合が時々あります。そこで、今回は軽量性、比強度、人体無害性等に特徴のあるマグネシウムを取り上げて「マグネシウムの加工性(magnesium processability)」についてコメントします。


 加工性を検証する場合は、その基本となる物理的特性や機械的特性を知ることが重要ですが、その主な特徴を述べると下記のようになります。


①比重がアルミニウムの2/3以下、鉄の1/4以下であり、構造用材料として使用される金属材料中、最軽量材料といえます。


②マグネシウムの融点は923Kであり、リチウムや鉛などの低融点金属に次いで低い値であり、アルミニウムの融点とほぼ同じである。(ダイカスト加工などに向いている)


③熱伝導率は、アルミニウムの約65%と熱の良導体である。


④電気抵抗率が低く、電気を通しやすい特性をもち、銀、銅、金、アルミニウムに次ぐ導電体と言える。


⑤ヤング率は、鉄や銅よりは小さく、アルミニウムの約3分の2である。


 以上の特性を踏まえ、マグネシウムの主な加工方法についてコメントします。(実際には様々なマグネシウム合金が開発されており、下記は、その基礎的な内容のみであるととらえていただきたい。)


・切削加工

 マグネシウム合金は切削抵抗、工具寿命、切削面の出来映えや寸法精度等から見ても、被削性に優れている。(アルミニウム合金以上)

ただし、アルミニウムと比較し、熱膨張係数が大きいため、製品に温度変化をさせない工夫は必要となる。


・塑性加工

 加熱した状態での絞り、張り出し、曲げ、抜き、バーリングという形で特殊加工の範疇となる。(超塑性加工については、コメントを省く)


・接合加工

 アルミニウム合金の接合加工として使用される接合方法が適用可能です。つまり、イナート(不活性)ガスアーク溶接(TIG溶接、MIG溶接)、レーザー溶接、抵抗溶接などが可能となります。




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