近年、AI(人工知能)やIoTなどの技術改革が急速に進められています。その中で、これらの技術を活用し、機械システムの自動化、ロボット化を検討する企業が増えています。このような機械システムのカギを握る技術の一つに、サーボ機構があります。
サーボ機構(servo mechanism)は、物体の位置、方位、姿勢などを制御量として、目標値に追従するように自動で作動する仕組み(自動制御装置)です。サーボ (Servo) の語源はラテン語の "servus"(slave・servantの意)からきています。
サーボ機構の特徴は、制御対象が時々刻々と変化する状況に合わせ、追従できるように機械装置の位置、角度、姿勢等を精度よく制御する構成となっていることです。サーボ機構ではコンピューターからの指令値と制御対象の現在値を比較してその誤差を小さくするようにしながら機械を動かします。
サーボ機構の構成を簡単な搬送装置を例にとって紹介すると、
①指令部コントローラ
搬送物をどこまで運ぶかを指示するコントローラ
②制御部サーボアンプ
コントローラからの指示を受けモータを動かすサーボアンプ
③サーボモータ(駆動、検出(エンコーダ)部)
搬送物の位置を測定する検出部をもつサーボモータ
上記①②③の3つの構成要素からなり、サーボモータの回転運動が、「カップリング」を介して、「ボールねじ」へと伝わり、「テーブル」に載せられた「搬送物」が水平方向に移動します。搬送物の位置は「エンコーダ」によって測定され、その結果がサーボアンプにフィードバックされます。
サーボ機構自体は、現在、既に様々な分野に使われており、例えば自動車分野では、より高度な加減速の制御のために用いられ、鉄道分野では、ホームドアや可動ステップ(ホームと列車の隙間への安全対策)、産業分野では高精度、高生産、省エネ等を目的とした加工機械への適用や産業用ロボットへの適用を代表としたあらゆるFA化に貢献しています。
以上のように、AIやIoT化による機械システムの自動化、ロボット化のカギを握るともいわれているサーボ機構という要素技術は、今後益々活用分野が広がっています。
サーボ機構に関係する活用の方向性指針等が、生産技術コンサルティング対象となります。
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