パーティングラインについて
- shigeokumata
- 3月13日
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パーティングライン(PL:parting line)とは金型の『合わせ目』のことです。金型は可動側と固定側の2つで構成されており、両者を閉じ、樹脂を注入することで型通りのプラスチック製品ができます。また両者を開くことで金型から製品を取り出すことができます。
上記のように、パーティングラインとは、金型可動側と固定側の分割の境目(合わせ目)のことであり、『製品のどこに、金型での分割の境目を設定するか』が大きなポイントとなります。
成形を行う際、射出した高温の樹脂からはガスが発生しています。型内で樹脂が流れていく際に、これらのガスが型外へ逃げ切らず、型内に残ってしまうことで発生するショートショットと呼ばれる成形不良や、型内のガスが充填された樹脂によって圧縮されることで高温化し、出来た成形品にガス焼けと呼ばれる成形不良が起こる場合などがあります。
そういった不良を回避するための金型設計技術として、パーティングラインには、厚み『0.015mm~0.02mm』程度で、ガスベントと呼ばれる掘り込みを一定の間隔で設けることがあります。これにより樹脂は通さず、ガスのみが通れる非常に微細な隙間となり、ガスだけを型外に逃がすことができます。
ただし、樹脂温度を高く設定しすぎて樹脂の流動性が高くなりすぎた場合や、射出圧を必要以上に高く設定し、型締力を上回ってしまった場合などは、そのガスベントなどから樹脂が漏れ出てしまい、バリといった成形不良が発生する恐れにも留意しておかなくてはいけません。

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