先日(1月26日)、ネプコンジャパン 2024【東京ビックサイト】(1月24日、25日、26日の3日間、東京ビックサイト にて開催)に参加したので、その状況についてコメントします。同時開催のオートモーティブワールド、Factory Innovation Week へも参加しましたのでその内容も含みます。
生産技術、工場管理として、実務に活用する上で参考となりそうなものについて数例をピックアップして列挙します。(順不同)
(1)Wireless Power Transfer
送電シート(厚み0.3mm)、送電側最大出力:50w、受電側出力30w(12VDC)、入力:AC100V の無線給電が展示されていました。超薄型、軽量の送電シートが売り込みのポイントのようでした。
(2)複合フィルム製造機、包装機
ダイ(口金)の内部で複数の樹脂を合流させてから押し出した無延伸共押出多層フィルムであり、それぞれの樹脂の特性を生かした、高機能な半導体・精密機械部品等に対応した複合フィルムの製造機がありました。一方、ロールフィルムを金型で熱成形し、製品を投入した後、真空やガス置換を行い、熱シールで密封してカット後、送り出す形の深絞り包装機なども展示されていました。
(3)ヘアピンモータステータ自動化
(平角線)成形、1層揃え、全層揃え、絶縁紙成形/挿入、コアへ挿入、拡張、ひねり、(ヘアピン)溶接、粉体/含侵、検査等の一連の工程を自動で生産するライン構想について展示されていました。
(4)平角銅線の巻線
大手巻線機メーカ(nittoku、多賀)等においても、EV用モーター製造に対応させた平角銅線の巻線(組立?)に取り組んでいる姿が見受けられました。モータへの巻線の実機としては丸線の内容であり、平角線の組付け機(巻線?)については、展示物は見受けられませんでした。(製品展示のみ)
(5)ロボット関係
・協働ロボットとして、可搬重量最大50Kgのロボットが展示されていました。協働ロボットであるため比較的ゆっくりとした動きに見受けられました。
・3台のスカラーロボットによる協調作業(空間協調)を行うものもあり、かなり素早い動きをしていました。気になるティーチングについては、精度よくオフラインで実行可能であると言われていました。(専用のティーチングシステム使用)
(6)摩擦圧接機
エアバックインフレータ専用の縦型の摩擦圧接機の存在が確認できました。縦型であるがゆえに省スペース化を実現しており、様々なメリットも強調されていました。
・熱歪が少なく、高い寸法精度が得られる
・スパッターが少ないので仕上がりが綺麗
・数値による自動制御なので同一品質製品が連続して生産可能
・オートローダーの併用による無人化、自動化が可能
・2か所同時圧接も可能
(7)ポリイミド成形体
ポリイミドの持つ優れた特徴を強調し、シーズとして売り込みをしていました。
半導体分野、航空宇宙業界などで採用実績があるとのことです。
(特徴)
・非常に高い耐熱性、・優れた機械特性、・良好な切削加工性、・優れた絶縁耐性/低誘電性、・耐薬品性/低吸水性、・高い難燃性、・優れた耐放射線性/耐光性
(8)NCC
名古屋大学NCC(ナショナルコンポジットセンター)は炭素繊維強化複合材料(CFRP)に関する研究開発を通じて、日本の航空宇宙産業、自動車産業等の発展に貢献し、さらに環境にやさしい社会づくりを目指すことを目的として、2012年4月に産学官連携の拠点として設立されたものです。現在83の会社・団体が所属しており、CFRPのプレス加工、成形加工、リサイクル等の活動内容が展示されており、大変興味深いものでした。
CFRPの主な特徴としては、金属代替も可能な機械的強度、軽量化(1/2~1/5)
以上
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