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日本ものづくりワールド2023確認結果

更新日:2023年10月4日

 先日(6月22日)、日本ものづくりワールド2023【東京ビックサイト】(6月21日、22日、23日の3日間、東京ビックサイト にて開催)に参加したので、その状況についてコメントします。

生産技術、工場管理として、実務に活用する上で参考となりそうなものについて数例をピックアップして列挙します。(順不同)


(1)プラスチックベアリング

 プラスチックベアリングの特徴としては、油・グリースを使用していないため、水中、薬液中でも油漏れや汚れ、サビ、腐食などなく使用できることです。

 ベアリング種類としては、すべり軸受け、ボールベアリング、スライドベアリング、自動調心軸受けなどです。

 使用材質はフェノール、PTFE、PP、PEEK、PPS、PCTFE、カーボン、その他 セラミック、チタン(保持器はPK、PT)などです。

 用途は各種洗浄機、表面処理装置、クリーンルーム内各種装置、ロボット、医療装置、食品関連装置等です。


(2)PCD(焼結ダイヤモンド)

 PCDは多結晶ダイヤモンド(Poly Crystalline Diamond)のことですが、単結晶のダイヤ粉末とコバルト等のバインダーを混合し、高温高圧炉で焼き固める等で、多結晶化させた人工ダイヤモンドの一種です。

 その高硬度性を活かして、一般的には超硬合金や脆性材料の切削、研削用の工具に用いられています。

 PCDは結晶の向きに規則性がなく、割れやすい、摩耗しやすい方向がないため、どの箇所でも均一な加工性を有しているという特徴があります。


(3)回転式部品供給装置

 従来の振動式パーツフィーダーではなく、振動を使わない回転式部品供給装置が脚光を浴びていました。(常に人だかり)

 何といっても無振動なので音が静かなのが最大の特徴です。振動式パーツフィーダーに比べ消費電力少ない、騒音が低い、供給スピードが速い、選別部のアタッチメント交換がワンタッチ等良いことづくめの供給装置です。


(4)FSWでパイプ製作

 金属(アルミ)の丸棒(Φ12)の長手方向にFSW(摩擦撹拌接合)を施したものが展示されていました。FSWは接合としては比較的低温で接合(固相接合)できる技術であり(したがって、一般の溶接接合に比べ、歪、変形が少ないというメリットを生かせるという意味で)応用範囲も広いのではないかと考えらます。

(参考;ブログ「FSW」)


(5)レーザーを用いた金属/異種材料樹脂接合技術

 レーザーにより、金属表面に特殊処理(表面をあらす)を施したのち、異種材料(樹脂)と接合(射出成形、プレス)させるものです。いわゆるアンカー効果を狙ったものと推定できます。

 展示されていたものには、金属側にパラレルギャップ溶接等で発熱し、同様な接合を行うプロセスもありました。いずれにしてもレーザーで金属表面を粗化する技術がポイントのように感じました。


(6)純タングステン部品の3Dプリント

 純タングステンは、様々な優れた特性(非磁性金属、電離放射線吸収特性、高い融点、密度、重量)を持つことにより、医療、原子力産業、航空・宇宙、防衛産業に使用されている金属ですが、その純タングステンを3Dプリントするという技術です。そこで使われる積層造形技術「粉末床レーザー溶融」は、高出力密度レーザーを使用して、タングステン粉末を融解および溶解させるものと思われます。


(7)ロストワックス精密鋳造品

 ロストワックス精密鋳造品の特徴は、金型が安価であり、少量品製作に向いていること、複雑形状品が容易に製作できることから、加工工数の削減や、複数部品の一体化によるコストダウンが可能であることです。また、あらゆる金属に対応できることなどがあげられます。

(参考;ブログ「ロストワックス」)





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