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ヒュージング不良低減

 ヒュージング工程((Fusing))で発生する不良に対する、一般的な不良低減の進め方についてコメントします。(Fusing Defect Reduction)

 ここでの不良対象としては、作業者のスキル不足が主要因となるものは対象外とします。

(不良低減が作業者習熟度向上、つまり、スキルの向上という部分は訓練時間とともに解消していくという意味で今回は除く。)


 ヒュージング工程の工程設計上の緒言として謳われているのは下記の項目です。

①加工条件項目

 ヒュージング工程の加工条件としては、ターミナル仮曲げ条件(加圧力、曲げ寸法等)、ヒュージング時の電流値(ピーク値、実効値)、通電時間、電極加圧力、電極沈み込み量等

②出来映え評価項目

 ヒュージング工程の出来映え評価としては、ヒュージング外観(スパッター、溶け状態(スパーク無等))、剥離状態(皮膜剥離率)、断面減少率(縦・横カット断面)、素線強度(線材引っ張り強度、基本は素材破断)等


 ここで、不良項目対象は全数検査対象の不良項目であり、実際の流動上、不良となるものとしては、溶接モニターでNG表示されて、排出されるものがほとんどであり、

下記のような内容となります。具体的な対策例と共に記述します。


●不良項目とその対策内容

①爆火(スパーク)不良

 スパークの現象としては、ヒュージング特有のR部(迂回部)の異常発熱による爆火です。このスパーク不良はヒュージングのメカニズムで述べた「線材を挟んだ部分への電流の流れだしの遅れ」が原因です。

 このスパーク不良の不良対策として考えられる内容としては

 (1)不良発生頻度が高い場合;ヒュージング最適条件の見直しが必要であり、ターミナル仮曲げ条件、ヒュージング加圧条件、ヒュージング電流波形等の見直しにより、スパーク発生条件から遠ざけた最適条件を見出す必要があります。(発熱量等の計測が可能なら、発熱量を特性値とした応答局面解析で見える化するとわかりやすい。)

 (2)不良発生頻度が低い場合、つまり最適条件設定は問題ないが、主要因以外の何らかの原因から突発的に発生しているような場合;特性要因図等の追求から、主要因以外の原因を見出し、個別に対策を実施する必要があります。


②モニターNG不良

 モニター各項目のNG内容について、ヒュージングのメカニズムから推測したNG要因を、特性要因図などで洗い出し、個別に上記と同様な対策を実施する必要があります。


 このヒュージング工程における、ヒュージング不良低減活動に関する指導・支援がコンサルティング対象となります。


(参考ブログ)



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