top of page

摩擦圧接加工について

更新日:1月26日

 摩擦圧接加工(Friction Pressure welding )について、コメントします。摩擦圧接加工とは2つの金属を接触させ、高速回転による摩擦を行い、摩擦面に圧力を加えて局部的に熱を発生させます。その後、素材が溶解する直前で強力な加圧を行い、回転を停止させることで2つの金属を溶融一体化させる工法のことです。この摩擦圧接加工には以下のようなメリットがあります。


①高強度化

・摩擦圧接された接合面は、溶接とは違い、母材と同等以上の強度を得ることが出来ます。


②コストダウン

・太径から細径の加工等、従来太い材料から削り出しで製作している製品を太径と細径を別々に製作し、圧接加工することで材料費を大幅に抑えることができます。

・インコネル・ハステロイ等レアメタル材とSUS304・SUS316等の接合が可能であり、重要部分のみレアメタルを使用し、それ以外の部分をSUS等で接合することで、材料費を大幅に削減することが可能です。

・また加工時間を短縮することにより大幅なコストダウンが見込めます。


③環境にやさしい

・摩擦圧接加工は摩擦熱以外の熱源を必要としません。

・また、接合の際にフラックス等は一切使用しないため、クリーンで自然環境にやさしい接合法です。


 最近の展示会で確認できた内容として、昔からエアバックインフレータ等の最終加工に使用されていた摩擦圧接機(60年以上の歴史のある加工法)ですが、これを専門に扱っている企業からは、異種金属・非金属の圧接可能な組合せ表も細かく提供されており、また、発生したバリの形状についても安定しており、後加工が不要と判断される等、その用途の広がりの可能性を確認することができました。


 仮に、この摩擦圧接加工を縦型にした形のものが開発できれば、さらに用途が広がることが予想されるとも思います。(固定側を円柱形でないもの(大型のものやサブコンポーネント対象として・・・)に対しても容易に加工が可能となるという意味で・・)実際にはエアバックのインフレータでは縦型の摩擦圧接機を使用しているようです。(20年ぐらい前より…)


 この摩擦圧接加工においては、上記の内容(加工対象の拡大)等も含めた、支援、指導を生産技術コンサルティング対象としていきたいと思います。





最新記事

すべて表示
bottom of page