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皿ばねについて

 皿ばね(ディスクスプリング;disc spring)は、中央に穴が開いた円盤状のばねで、円錐形または皿のような形状をしています。

この形状により、均等に力が分散され、高い強度を持つことができます。

また、複数の皿ばねを重ねることで、より大きな強度を持つばねを作ることができます。


 その用途としては、振動緩和や緩み止めなど、狭いスペースで大きな荷重を受ける必要がある場面でよく使用されます。

「皿ばね」は単位体積当たりの蓄積エネルギーがコイルスプリングと比較すると非常に大きく、小スペース・小ストロークで大きな荷重能力を有します。

枚数の増減、直列、並列の組合わせによってバネ特性を変える事ができます。 衝撃の緩和に優れ、積重ね状態では特に緩衝効率が優れています。


★皿ばねの材料の選定、形状の加工、寸法の設定について

・材料の選定:

  皿ばねの材料には、炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、銅合金などが使用されます。

  具体的にはSK85、S60C、SUS304CSP、SUS301CSPなどです。

・形状の加工:

  円盤状の板を円錐状に成形します。これにより、皿ばねの特有の形状が得られます。

  加工方法としては、プレス加工やマルチフォーミング加工が一般的です。

・寸法の設定:

  皿ばねの外径、内径、板厚、自由高さなどの寸法を設定します。


★皿ばねの特徴点など

・荷重とたわみの関係は非線形ですが、形状の寸法比を変えることで累進的、逆進的、線形的などの様々なばね特性が得られます。

 一方、板厚などの製作誤差がばね特性に大きく影響しやすく、特性のばらつきが大きくなります。

・皿ばね同士を組み合せることにより、さらに様々なばね特性が得られ、全体としてのばね高さも変えることができます。

 ただし、組み合わせて使用する場合は、ばねのずれを生じさせないために内側か外側にガイドが必要となります。

・皿ばねがたわむと皿ばねは平らになる方向に変形します。そのため、たわみに伴って接触点が移動するため、摩擦によりばね特性にヒステリシスが生じます。

 これにより減衰特性を得ることもできます。一方、摩擦によりガイドやばねの摩耗が生じたり、ヒステリシスを嫌う場合は潤滑材や表面研磨などを必要とします。




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