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shigeokumata

拡散接合について

 先日参加した展示会(第36回ものづくりワールド東京)の展示企業から説明のあった拡散接合(diffusion welding)についてコメントします。


 拡散接合は、JIS Z 3001-2によると、“部材を密着させ,母材の融点以下の温度条件で,塑性変形をできるだけ生じない程度に加圧して,接合面間に金属結合を実現して接合する方法”とあります。国際規格ISO/TR 25901-3にも“diffusion welding”として同様の記載があり、世界でも利用されている接合方法と言えます。

一方、“拡散接合”の英訳としては、 diffusion welding、diffusion joining、diffusion bondingなどもよく使用されているようです。


 拡散接合をよりわかりやすく説明すると、「板と板を加熱しながら接合したい場所をプレスすると接合する」と言うことができます。


 拡散接合は、部材同士の変形を最小限に接合することができるため、微細な形状を持つ部品の接合や、溝を切った薄板を多数積層することにより、複雑な内部流路を持った製品の製造を可能にするという技術になります。


 そのメリットとしては、

①高い接合強度;接合面に強度の弱い接着剤などが無く、直接接合物同士が接合されるので、接合面の強度も母材相当の強度が期待できます。

(実際には、母材強度の90%以上とのこと。)


②接合部の清浄度;ろう付けや接着のように接合物以外のものを使用せず、直接接合されるため、コンタミネーションなどの心配が少ない方法といえます。


③微細流路、複雑構造の作成可能;あらかじめ溝を切った薄板を多数積層し、この拡散接合を実施することにより、複雑な流路構造を持った3次元構造製品の製造を可能にします。


④異材接合;原子の移動を利用した接合方法により、異種材同士の接合も可能となります。


などがあり、


 既存の技術ではありますが、加熱条件、加圧条件をパラメータとした条件管理により、様々な用途に使用できるポテンシャルを持っているように感じます。


(参考ブログ)




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