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shigeokumata

連続炉について

 今回は、組付け工程などでよく熱処理として使用される連続炉(Continuous Furnace)について簡単にコメントします。組付け工程での熱処理対象工程としては、シール材やポッティング剤の硬化工程などで比較的処理時間の短いものです。(30分~数時間)まず、連続炉に対し、バッチ炉(箱型炉)というものがあるのでそれと比較をしながらコメントしていきます。まず、バッチ式についてですが・・


 バッチ式とは、窯単位でまとめて加熱を行う方法をいいます。そのため、一度処理が終わったら、中身を入れ替えて次の分を処理していく形です。バッチ式は毎回プロセス条件を変更して加熱が可能です。そのため、おもに多品種少量の過熱を行うのに向いています。様々な熱処理で活用されている方法です。バッチ式の中でもいろいろな種類がありますが、特に一般的なのが箱型炉と呼ばれるものです。


 これに対し、連続式は、ベルトコンベアなどの上に加熱する製品を置き、時間をかけて製品が炉の中を移動しながら加熱されていく方法です。連続式は、連続的に処理が可能であることから、大量生産に向いている方法です。例えば、同じく1時間の熱処理が必要な製品の場合、連続式では連続して処理が可能です。一方で、バッチ式は1時間経った時点で中身の入れ替え作業やその他の準備をしなければなりません。(実際には、中味を全て入れ替えずに、必要なものを必要な分、後工程に流動するというやり方により、連続生産可能とするやり方もあるため、その内容については個別にコンサル可能です。)

 このことから、連続式は、バッチ式と比べると高い生産性を持ちます。主に、同一処理物を同じ条件で処理する場合に選ばれています。また、製品の均一性を確保しやすくなるので、安定性を持って作りたい製品に向いている方法といえるでしょう。(連続式の場合、実際には、流動開始時や終業時の処置、設備停止時の処置等、個別に対応すべき課題が存在することも注記しておきます。)


 多品種少量にはバッチ式、同一処理物の大量生産には連続式が向いています。ただ、設備の初期費用は連続式の方が高いなどコスト面での違いもあるので、自社に合ったものを検討して選択する必要があります。





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