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全固体電池について

更新日:2023年10月4日

 EV(電気自動車)の競争を勝ち抜くため、全固体電池の研究開発が急ピッチで進められています。そこで今回は、この全固体電池について簡単にコメントします。


 全固体電池(ぜんこたいでんち all-solid-state battery)とは陽極と陰極間を固体電解質が担う電池です。この中で有機系固体電解質や一部に液体電解質を使うものを半固体電池または単に固体電池と呼び、一方、無機系固体電解質のみ使うものを全固体電池と呼びます。


 この全固体電池の無機系固体電解質は不燃性で、リチウムイオンだけを通すシングルイオン導電体として理想的なセパレーターの役割を果たします。そのため、簡易な構造と高い信頼性から、現在研究されている高性能二次電池の中で最も期待されています。


 全固体電池は充電時間を短縮し、走行距離を大きく伸ばすことが期待できると言われています。充電時間については、10分以下に短縮でき、走行距離も約1200キロに伸ばせるということです。


 全固体電池は、EV(電気自動車)の競争を勝ち抜くための重要技術として自動車メーカー各社が研究開発を加速させていて、トヨタ自動車が早ければ2027年に、日産自動車が2028年度までに、 ホンダが2020年代後半の実用化を目指しているとのことです。


 参考情報ですが、トヨタ自動車が明らかにした今後の脱炭素戦略として、EV化においては、この全固体電池を使用した実用化を目指し、また、水素を燃料にした車も強化し、複合的な戦略で脱炭素の取り組みを進めるものと思われます。


 中小企業としても、近い将来、これらの分野(全固体電池関連事業、水素エンジン関連事業)の周辺事業(生産技術含む)に関わる場面が訪れることになると思います。




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