ベアリング組付けについて

更新日:2月7日

ベアリングについて」では、ベアリングの基本的な位置づけ、構造について述べましたが、ここでは主に機械要素であるベアリングの組付け方法、及びその組付け上の注意点について説明します。

ベアリングの損傷要因には、固体汚染物(摩耗による異物等)、潤滑剤劣化等がかなりのウェイトを占めますが(合計で約40%)、組付けミスによるものも無視できない(取り付けエラー要因は5%程度と言われている)状況であり、また不適切な軸受け使用(約10%)、不適切な潤滑剤使用(約20%)、組付け時の(損傷の起点となるような)異物混入等も含めて考えると、ベアリング組付け作業の注意点をしっかりと把握しておく必要があります。

以下、PFMEAの故障モード抽出のようなイメージでそのポイントを列挙します。

(最終的には下記の注意点を織り込んだベアリング組付けに対するPFMEAを実施し、不具合を発生させないよう事前に手を打っておくことが望ましい。)


(ベアリングはめあい確認)

 機械の構造、機能に合わせて、軸受け部、ハウジング部へのはめあい内容が設備図面に記載されますが、それがしまりばめなのかすきまばめなのかをしっかり確認したうえで組付けすることが必要となります。(設備図面には理論値、経験値からしっかりと公差設定されているはず)


(ベアリング異品確認)

 ベアリングには様々な種類が存在するため、ベアリング機種、サイズ等、設備図面に記載されている内容と照合し、しっかりと下準備しておくことが必要となります。(会社で扱っているベアリングすべてを確認できるよう、層別管理を徹底しておくことも必要)


(ベアリング欠品確認)

 複数のベアリングから構成されている場合、欠品があっても初期は機械として機能する場合があるため、確実に適正な数のベアリングを組付けたかどうか、確認する必要があります。(必要に応じ、組付け途中での確認のルール化、員数管理の徹底、最悪は重量確認、エックス線確認等)


(ベアリング方向性確認)

 ベアリングの種類、用途によっては、組付けの方向性が決められたものがあるため、逆方向組付けに注意して組付ける。(必要に応じ、逆方向組付けができないFP(ポカヨケ)が必要となる。)


(組付け工具確認)

 ベアリングの種類、はめ合いの程度に応じた、組付け工具(ベアリング押し具)を使用し、ベアリング押し当て面の全面に均一に当てることが重要です。(内輪、外輪の押し当て工具の取り違えや、斜め圧入となった場合、ベアリングの変形→機能故障の原因になる可能性があるため)


(組付け方法)

 ベアリングの組付け方法としては、専用治具によるプレス圧入;外部ストッパー付き(ベストな方法)、加熱挿入(温浴、バーナー加熱)、ハンマー打ち(ワースト)等がありますが、組付け時のベアリングへの損傷が最小となる方法を選択しておく必要があります。


(潤滑剤異材確認)

 設備図面に記載されている潤滑剤やグリス内容と照合し、しっかりと下準備しておくことが必要となります。(会社で扱っている潤滑剤やグリスすべてを確認できるよう、層別管理を徹底して置くことも必要)


(組付け環境‐異物対応)

 ベアリングに有害となる(大きさや数の)異物が混入しないよう、組付け環境の整備(事前清掃)、異物発生源からの遮蔽、ベアリング封入前の確認、除去等、注意が必要となります。


(その他)

 上記以外にも、軸やハウジングの精度不良、軸のたわみなどに起因するミスアライメント(取付誤差)等が予測されますが、詳細は割愛します。


(故障モードについて)

 以上の内容をまとめると、ベアリング組付け時の故障モードとしては、異品、欠品、逆組み、過大、過小、治具選定ミス、組付け方法のミスマッチ、異物混入、潤滑剤ミスマッチ

等があげられることになり、これらの各々の影響度合い、発生度合い、検出度合いを予測し、重要度合い算出→必要に応じ事前対策&マニュアル化等を実施しておくことが肝要です。


以上のような、ベアリング組付けにおけるマニュアル化への指針等、支援、指導が生産技術コンサルティング対象となります。


(参考ブログ)

ベアリング






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