top of page

生産技術とは

更新日:2023年10月14日

生産技術とは、「工業製品など具体的に「もの」を作っていく際に、設計する工程(計画)と、それに従い実際に「もの」を作り出す工程(生産)をつなぎ、いかにして品質高く、作りやすく、効率的に生産するか、という方法を工程として設計する技術」と定義されています。  (ウィキペディアより


この生産技術の主目的である 『具体的に「もの」を作っていく際の、「品質高く」「作りやすく」「効率的に」に生産する・・・』の部分に関し、生産技術として配慮すべき点についてコメントします。


①品質高く

 品質を、ここでは便宜的に、製品品質、工程品質、作業品質、納入品質、市場品質という形に区分してコメントします。


 a.製品品質の抑え

  製品設計の要求品質に合致した製品づくりのための工程設計を行うのが大前提であり、全ての要求品質を満足させるべく、検討し、検証し、確認することが重要です。仮に満足できないことが予想される場合は、設計変更依頼等にて、製品設計とその善後策を調整することが必要です。


 b.工程品質の抑え

  加工工程として、様々な(5M1E)要因のバラツキにより、工程品質は常に変動します。この変動に左右されることなく、各工程の工程能力を十分確保しておくことが重要であり、そのためには、長期的な品質確保を狙うべく、SQC手法をフル活用させ、実験計画法等による条件設定および管理点設定が必要となります。


 c.作業品質の抑え

  人が介在する工程については、ヒューマンエラー対応が不可欠であり、PFMEAやQAネットワークを駆使して、ポカヨケ等の対策を講じておくことも必要です。

PFMEAについて(ブログ記事)にてコメントしています。)


 d.納入品質の抑え

  a.b.c.については当然、納入先品質を織り込んだ対策も考慮し進めるべきですが、納入先での環境や取り扱い方法等、様々な状況にたいする認識のずれから、納入先で不具合となる場合があります。(異物や外観に類する限度見本等の基準のずれ、梱包姿勢等取り扱いに対する認識のずれ、取付け環境に対する認識のずれ・・)

これらについては、納入先の状況を事前確認する、限度見本の取り交わしを入念に実施しておく等の配慮が必要となります。


 e.市場品質の抑え

  市場品質の抑えは基本的に品質保証部署を主体とした活動となりますが、生産技術としても初期及び定期的に実施される信頼性試験の情報を的確にキャッチし、工程品質(設計品質にも)にタイムリーに織り込むことが重要となります。また、万一市場クレームが発覚したときの対応についても事前に工程設計に織り込んでおくことも重要です。(トレーサビリティ対応の事前検討)


②作りやすく

 a.加工基準の明確化

加工基準について (ブログ記事)で述べているように、(加工しやすい)安定した工程となるためには、加工基準(加工する時、基準となる部分の寸法、公差)を明確化しておくことが重要であり、常に意識すべきことです。


 b.一方向組付けに配慮

  部品加工にしろ、組付け加工にしろ、加工途中で、ワークの姿勢を変える必要のある製品は作りにくい製品の典型です。ワークの反転、移し替え等のロスを与えない製品・工程づくりとなるよう、生産技術は常に配慮していく必要があります。 

  

 c.要素作業の簡素化

  加工工程の一つ一つの動作(部品箱からワークを取る、ワークを治具にセットする・・)は要素作業と呼ばれています。その要素作業の内容を簡素なものにしていくほど作りやすい製品・工程となります。(自動化を考える場合にもこの考え方が後々大きなメリットとなります。)


③効率的に

 ①②はこの効率的にという内容と結果的に共通する部分が多く含まれており、重複する部分があると思いますが、ここでは特に設備投資に関する効率(資本生産性)、作業に関する効率(労働生産性)についてコメントします。


 a.設備投資に関する効率

  まず重要となるのは投資に対する費用効果になりますが、様々な投資方法(各工程の加工方法、設備構造、自動化率等)に対し、設備設計等関係部署を含めた最適な投資方法の検証、(複数案の)まとめ上げ、TOP承認への道筋を的確に行うことも重要な仕事となります。

  一方、実際の導入設備の設置後の有効性の確保も重要になります。いわゆる稼働率向上活動(ブログ記事)により、垂直立ち上げを具現化することも、生産技術が中心となり推進していく必要があります。


 b.作業に関する効率

  ②の要素作業の簡素化は、各工程の個別作業に関する内容でしたが、ライン内作業全体に関しては1ケ流し流動(ブログ記事)の推進が重要であり、ライン外作業も含めるとラインレイアウト作成検討(ブログ記事)も重要です。さらにはこれらを含めた物流効率も含めたJIT(ブログ記事)の考え方を駆使した活動が求められることになります。


 以上、生産技術の主目的となる「品質高く」「作りやすく」「効率的に」に対する 生産技術の配慮すべきポイントを述べましたが、その具体的内容、方向性に関する指導・支援が生産技術コンサルティング対象となります。






最新記事

すべて表示
bottom of page