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SEMによるミクロ観察

更新日:2023年10月27日

 生産技術業務の中で、不良対策等ミクロ観察が必要になる場面が多くありますが、その時登場するのがSEM写真です。SEMとはScanning Electron Microscopeの頭文字であり、つまり走査電子顕微鏡のことです。


 走査電子顕微鏡(SEM)は電子線を用いて、数10倍~100万倍程度の表面の拡大像を取得できる顕微鏡です。電子線は可視光と比較すると非常に波長が短く、光学顕微鏡よりも微細な凹凸や組成分析が可能となります。この顕微鏡で映し出されたSEM写真により、不良解析の時など、リアルな実証が可能となり、何度か助けられた経験があります。

SEM は光学顕微鏡をはるかに凌ぐ分解能を有するため、材料や半導体デバイス、医学、生物学など、様々な分野で幅広く利用されているものです。

 SEMは電子線を試料に当てて表面を観察する装置であり、X 線検出器を取り付けて元素分析を行うこともできます。電子線の加速電圧は、一般的なSEM で数100V から30kV 程度です。集束レンズと対物レンズは、加速した電子線を試料上に電子スポットとして集束します。 走査コイルは、電子スポットを探針(プローブ)として試料上を移動させます。これを電子線走査と言います。検出器は試料の電子線照射点から発生した信号電子を検出し、信号電子の量を各点の明るさとして表示したのがSEM 像です。信号電子の発生量は表面の凹凸構造で変化するため、SEM像には試料の表面形態が映し出されことになります。

 電子源から発生した電子がガス分子と衝突しないで試料に到達するには、10-2 ~10-3Pa の真空が必要であり、そのため、SEM の本体は真空ポンプで真空状態に保ち、観察試料も真空状態で壊れないように水分を除去する等の前処理を行います。また電子線照射で帯電しないように、試料表面に導電性を与える前処理も行われます。


 SEMは最近では卓上タイプのものも出てきており、今までにない深度と解像度でより鮮明かつ立体的なカラー観察が可能となってきているようです。又、光学顕微鏡で簡単に視野探しを行い、そのまま同一箇所をSEMで高解像度観察できるような形のものも登場してきています。

                       (一部、ネット情報を引用ました。)





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