生産技術者の心得について、当方のこれまでの経験を踏まえ、又、これからの生産技術者の在り方を見据えた上でコメントします。
広く生産技術者は大きく3つの役割があります。その役割を実行するための心得という考えに基づきまとめてみます。
(3つの役割とは)
(1)製品の企画・構想を工場で具現化・量産化するための「生産プロセスの設計・改善」
(2)それを実行し日々の製造活動を支援する「量産工場の維持・改善」
(3)商品の開発・設計から生産技術が関与する「開発プロセスの革新」
(生産技術者の心得)
①意志あるところに道は開ける。
これは、生産技術の大先輩から学んだ言葉です。どんな分野の技術者にも言えることですが、どんな大きな課題、問題に対しても、意志さえあれば、必ず道は開けるという教えです。
②アンテナを高く→ 新技術、新工法などの情報を素早く取り入れる。
生産技術者としては、常に多くの情報、新しい情報を取り入れるよう努力し、多面的な観点から物事を考えることにより、最適な方向性を見出せるようにしておくということが大切であるということです。現代風にいえば、IoT、AI、SDGs、3Dプリンターの活用等新しい考え方、技術を取り入れ、活用できないかを模索しておくことも必要です。(特に開発プロセスの革新、生産プロセスの設計・改善 等に対し)
③失敗に学べ
「失敗学の活用」で述べたように、失敗は大きな学びの機会になり、それを糧として次に生かすことが重要です。
④変化に敏感に対応すること。
生産技術が関連する様々な技術やしくみは、日を追うごとに目まぐるしく変化し、進化しています。時代に取り残されることなく、その変化を確認し、(技術の)基本は忘れず、必要と判断できる技術やしくみを柔軟に取り入れていくことが重要です。
⑤品質、コスト、納期をバランスよく。
生産技術の業務の中に、投資の判断、工法の選択等、様々な方策の方向性を決定する場面がありますが、自分自身が納得する上でも、TOPに上申する場合でも、常にあらゆる角度から検討する必要があります。基本的には品質、コスト、納期の3方向から検証し、方向性を見出すことが重要です。その他、必要に応じ、(社内的、対外的)安全、環境、衛生、防災、SDGs的見地からの判断も必要な場合もあります。
⑥改善に終わりはない。
作業改善に終わりはないとよく言われますが、生産技術の仕事も同様です。②④項で述べた心得を忘れず、常に新たな改善を模索していくことが大切です。
⑦関係部署との調整、合意をスムーズに
生産技術業務の守備範囲は大変広く、社内・社外問わず、(会社が関与する)ほぼすべての部署と関わっていると言ってもよいと思います。そのため、ある時は、技術力、研究力、ある時は営業力、調整力、ある時は教育力、育成力、さらにTOPへのプレゼン力等、様々です。これらの能力は、①の意志があれば、醸成できるものと考え、自ら培っていくことが大切です。
(工事中)今後、追加の可能性あり・・・
Comments