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ゲージR&Rについて

更新日:2023年9月10日


 測定器具や検査装置などで、ゲージR&R(Gage Repeatability and Reproducibility) はどうなのかという会話をよく耳にします。ゲージR&Rについては、生産技術としても知っておくべき言葉なので、今回、コメントすることにしました。


 ゲージR&R(Gage R&R)分析は、測定システム分析(MSA:Measurement System Analysis)ともいわれ、測定プロセスを管理または審査するための手法です。 MSAでは、ばらつきの大きさを「変動」という尺度で表し、測定システムのどこに原因があるのか、ばらつきの原因を分解することにより、ばらつきの根本原因を識別しどこを改善すればよいかを判断することを目的としています。測定データのばらつきの原因がわかれば、ばらつきを小さくする措置をとることができるわけです。


・ゲージ R&Rのゲージ(Gage)は、 計測を行うために使用される何らかの装置・器具のことを指します。

・R&R(Repeatability and Reproducibility)のはじめのRは、繰り返し性(Repeatability)を表し、測定システムの変動のうち、どの程度が測定装置によって引き起こされているかを示します。

・R&R(Repeatability and Reproducibility)のあとのRは、再現性(Reproducibility)を表し、 測定システムの変動のうち、どの程度が測定者間の差によって引き起こされているかを示すものとなります。

 たとえば、数人の測定者がねじの直径を測定し、ねじが規格を満たしているかどうかを確認します。ゲージR&R分析は、各検査者による同じ部品の測定値が一貫しているかどうか(繰り返し性)、および検査者間の変動が一貫しているかどうか(再現性)を示します。


 測定全体のばらつきは部品自体のばらつきと測定システムのばらつきの二つから成り立ちます。ばらつきを変動と言い換えると、測定システムの変動はゲージによる変動と測定者による変動を有しており、ゲージR&Rではこの二つを合成した指標(GRR)として評価します。

つまり、測定全体のばらつき=部品間のばらつき+GRR と表せます。 ここで、GRRは、測定装置のばらつき+測定者によるばらつき のことを意味します。




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