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生体模倣技術について

 最近の展示会で目にした生体模倣技術についてコメントします。

生体模倣(バイオミメティクス ( 英: biomimetics ))とは、生物の持つ特徴を真似することで工学的に利用して、私たちの生活に役立てようというものです。

バイオミメティクスは学術的には、「生物の構造や機能、生産プロセスを観察、分析し、そこから着想を得て新しい技術の開発や物造りに活かす科学技術」を意味しています 。 用語としては、1950年代にアメリカ合衆国の神経生理学者 オットー・シュミット が初めて使用したと言われています 。


このバイオミメティクスは、日本語表記としては生物模倣技術、生物模倣と呼ばれることもあり、SPEEDOがサメの肌の特徴を模倣することで水の抵抗を低減した水着「ファーストスキン」を開発したことや、関西大学システム理工学部の教授である青柳誠司が蚊を模倣して痛みの少ない注射針「マイクロニードル」を開発したような事例が、バイオミメティクスの典型的な事例であると言えます。


 先日、参加した東京ビッグサイトでの展示会ではロボットハンドとして、ヤモリが滑りやすい表面(時には天井面)を簡単に移動するメカニズムを応用した生体模倣工学式グリッパーが展示されていました。対象物との接触面積を最大限に広く持ち分子間力で吸着するものであり、静音、接着跡が残らない、繊細・微小ワーク対応等のメリットが多く、様々な用途に活用できる可能性を秘めていると考えられます。


 これからもこのバイオミメティクスによる生産技術分野への応用展開例を数多く入手し、活用の場づくり、具現化への支援をしていきたいと思います。




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