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EV用PTCヒーター

 電気自動車(EV)の暖房として、PTCヒーターが使われています。EVの暖房にはいくつかの方法があり、これらはエンジンの廃熱を利用できないEVにおいて、車内を暖めるために採用されています。以下、PTCヒーターを含めた、EVの主な暖房方式についてコメントします。


①PTCヒーター(Positive Temperature Coefficientヒーター)

 PTCヒーターは、バッテリーの電気を電気抵抗(ヒーター)に通して熱を発生させる方式です。空気を直接加熱するタイプと、水を加熱して温水で間接的に空気を暖めるタイプがあります。PTCヒーターは、電力消費が少なく、安全性が高いのが特徴です。


 PTCヒーターは、サイズこそコンパクトになりますが、電力消費が大きいためEVの航続距離に影響します。その加熱方式として、空気加熱方式と水加熱方式があります。空気加熱方式はしくみが最もシンプルで、スイッチを入れた後、最も早く暖まりますが、空気の過熱、発火の危険など安全性に問題があるといわれています。水加熱方式は空気加熱方式よりも安全ですが速暖性では見劣りし、サイズもやや大きくなります。


②ヒートポンプエアコン

 ヒートポンプは、外部から熱を取り込んで車内に放出する方式です。空気や水を加熱して暖房を行います。効率的で、現在は多くのEVで採用されています。


 ヒートポンプエアコンは、PTCヒーターよりも電力消費が小さくなり、安全で冷房用とも兼用できますが、ポンプがあるために機器のサイズは大きくなります。そのポンプの音も、EVは「静粛性」が売り物の一つなのですが、逆に気にされ問題視される可能性があります。


③燃焼式ヒーター

 燃焼式ヒーターは、燃料を燃焼させて熱を発生させる方式です。ただし、EVにはエンジンがないため、この方式はあまり一般的ではありません。


 これらの方式は、現在、EVメーカーやサプライヤーによって研究され、開発されています。将来的には、より効率的で快適な暖房方式が普及することと思われます。


 中小製造業においても、近くこの分野に関連する製品/部品に対応する必要性が出てくることが予想されます。




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