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かんばん方式について

更新日:4月15日

 製造業において、生産数量が安定しない、在庫が多くなりすぎる、層別管理ができない等の問題をよく耳にしますが、これらの問題を解決してくれるツールが「かんばん(Kanban)」です。


 いわゆるジャストインタイムを実現するための方法がかんばん方式です。かんばん方式のかんばん(Kanban)とは発注書のような存在です。 


 ジャストインタイムとは、必要なものを必要なときに必要なだけ作り、調達する生産方式です。ムダな在庫を持たずに滞りなく製品を供給するための理念といえます。


 この「ジャストインタイム」と「自働化」が トヨタ生産方式の柱となります。ちなみに、自働化とは、工場ラインで異常が発生すると生産機械が自動で停止することにより、不良品のムダを生じさせない管理方法です。


 顧客からの注文が入ったら、後工程の担当者が前工程の担当者にかんばんを渡し、前工程はかんばんに書かれた数量のみを生産します。そして後工程に製品とかんばんを渡します。すると、後工程の担当者は製品を自分のラインに流して、加工を施します。

後工程の担当者は、製品を使ったらかんばんを取り外して、前工程の担当者に届けます。すると前工程の担当者が再び製品を作り始めます。


 かんばん方式のかんばんは概念上のものではなく、実物が存在します。かんばんには品番や品名、発注数などが記載されており、トヨタの通い箱にはかんばんを収納するスペースが設けられているのです。かんばんと製品はほぼ同時に動きます。


 かんばんにはいくつかの種類があります。かんばんは、生産を指示するための「生産指示かんばん」と、部品の引き取りに使われる「引き取りかんばん」に大別されます。またそれぞれのかんばんには役割があります。


【生産指示かんばんと引き取りかんばん】

 生産指示かんばんには、組み立てラインでつかう「工程内かんばん」や、プレス加工機等で使う「信号かんばん」の2種類があります。引き取りかんばんには、「工程間引き取りかんばん」と「外注部品納入かんばん」の2種類が存在します。いずれのかんばんにも、品番や品名、1箱に収納する数、工程などが記載されています。


【かんばんの代表的な3つの役割】

 かんばんにはさまざまな役割があります。かんばんの役割は運用方法や業種によっても異なりますが、ここでは代表的な3つについてコメントします。


①生産量や運搬の指示

 かんばんによって、生産量や運搬の指示をします。何をどれだけ作って、どこに持っていけばよいのかが一目瞭然でわかります。またかんばんが現品表の役割も果たすため、現品間違いなどのミスも防止できます。


②作りすぎの防止

 かんばんの最も大きな役割は、作りすぎの防止といえます。かんばんが来なければ生産しないため、必要量を超えて生産することがないからです。

これにより、完成品を保管する倉庫の整備も必要最低限にできるだけでなく、製造現場で必要な原材料の在庫も最低限にすることができるため、あらゆるムダを省くことができます。

トヨタ自動車では「7つのムダ」という視点で、あらゆる現場のムダ取りを行っています。


③品質不良の防止

 かんばんを運用する際に「100%良品だけを次の工程に渡すこと」というルールを決めておくと、不良品の流出を防止できます。良品だけを引き渡すルールを徹底すれば、手元にある不良品は自工程で発生したものと断定できるため、すぐさま再発防止策を検討できます。

                   (以上、主にネット情報を整理)





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